先日ブログにてお知らせしました 第4回コルグ MR 倶楽部 『月刊Stereoタイアップ/鉄道を録る』でナビ役を務めます石田先生から、メッセージが届きました。
ナマロクの世界の楽しみは音楽録音だけではない。自然界の音や行事、生活の音そして今回取り上げる鉄道の音などがある。一昔前はレールウエイサウンドというとほぼSLだったが、最近では路面電車やディーゼルカーから新幹線がある。更に車やジェット機、ヘリコプターなどの航空機も含めてナマロク対象物となるようだ。
これらが他の対象物や音楽録音と異なる最大の要素は動きがあることで、距離感やスピード感などが含まれるため、移動感や方向性が変化し遠くから近くへ、そしてまた遠くへという乗り物独特の動きが楽しめる。それをどうとらえ、いかにそれらしく表現できるか、音を聴いただけでそれが何の音で、どういう状況なのかを聴き手が理解できて想像できる、という録音を心がけたい。
さて今回のテーマである鉄道の音を構成する主役はエンジン(モーター)と言ってよいだろう。この音は負荷が大きければ大きいほどウナリが高まるのだが、その最たるものは停止状態から走り出す、つまりゼロからのスタート時で、非常に大きな負荷がかかるため、音としても魅力的だ。また力行と呼ばれる上り勾配でも、カーブでも負荷は大きい。
二つ目はレールのわずかな隙間を車輪が通過する際に発するレールの刻み音である。この他に警笛(クラクション)も特徴的であるし、踏み切りの警報機や、停止していた自動車が動き出す光景も鉄道録音には付き物である。
もうひとつ、状況や状態を表す顕著な音として、駅での発車や車中でのアナウンスなども上手く取り入れることでより鉄道録音の臨場感が得られ、具体的な表現につながる。
しかし移動を伴うということは、場所は当然屋外でもあり、自然の風や列車からの風圧など、マイクにとっては有害な雑音を伴う。そのためにウィンドスクリーンは必需品であり、状況や程度に応じてより厳重な対策が必要になる場合もある。実際の録音に際しての重要なポイントは、まず対象物の最大音量をいち早く把握すること。それに合わせてボリュームをセットしなければならない。リミッターを使うのも悪くないだろう。
音楽録音でもフラットかつ広い周波数レスポンスが要求されるが、こうした鉄道録音でもF特は重要な要素である。カメラで言うならレンズに相当するのがマイクであり、その役割は非常に大きい。
また、DSD録音は、ワイドレンジに広いダイナミックレンジが得られ、私たちの耳に滑らかな記録の形態にふさわしい魅力と言えよう。
これはもう参加するしかないでしょう!
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