Stereo11月号連載「オーディオエクスプローラー」でご紹介した音源が以下のリンクから聴けます。
レコーダーは、この夏にタスカムより発売されたDR‐100mk3
ドラムセットの録音は、矢壁篤信氏に依頼。収録は、東京は荻窪駅前にある、リンキィディンクスタジオ荻窪店にご協力頂いた。矢壁氏がお使いのドラムはパール楽器製造のReference PUREというシリーズで、同社の高級機。20インチという、やや小ぶりなバスドラムのセットと思いきや、非常に豊かで深い鳴りが特徴的な楽器だった。フロアタムもふくよかな胴鳴りが印象的で、現代ドラムの鳴りっぷりに暫し驚愕。矢壁さんのパワフルなドラミングがそこに加わり、迫力も物凄い。当初、レコーダーの内蔵マイクではクリップしてしまうかと危惧したが、無用な心配だった。非常に精細に録音が出来た。初めて192kHz / 24bitハイレゾ録音をモニタリングした矢壁氏も「バスドラの奥行き感まできちんと再現できている!」と興奮のコメント。
グランドピアノの収録は、東京は中野坂上にある、ベーゼンドルファーショールームのスタジオにて実施。演奏は、本誌でもすっかりお馴染みのオルガニスト(ケンバニスト)、塚谷水無子氏。楽器は、フラッグシップのモデル290インペリアルを使用。先ほどのドラムといい、演奏者、楽器とも非常に贅沢なテストである…。 弾いて頂いた楽曲は、ゴルトベルク変奏曲からアリアと第16変奏、そして緩急激しい即興演奏。こちらも敢えて内蔵マイクで録音を実施したが、ピアノの高域弦から発せられる音圧に負けることなく、しっかりと録音できていた。特にアリアでは、小さな音圧を捉えるためにマイクプリアンプのレベルを高めに設定したが、S/N感も良好であった。加えて、インペリアルの美しい高域のレゾナンスを捉えようと、1オクターブ移調してアリアを弾いて頂いたが、この楽器が持つ非常に美しい音色が録音されていた。こちらもぜひご試聴頂きたい。(生形三郎)