デジタルなのに、アナログの音⁉ デジタルアンプっぽくないデジタルアンプ「LXA-OT4」まもなく出荷開始!

オンラインショップ「ONTOMO Shop」
話を伺ったラックスマン株式会社 土井氏(相談役)、製品部石川氏、開発部久保氏(写真L to R/以下、敬称略

かつて付録として好評を得たラックスマン製デジタルアンプ「LXA-OT1」と、さらにそれをグレードアップさせた「LXA-OT3」。オンラインショップONTOMO Shopでは、「LXA-OT3」の後継機として、デジタルアンプ第3弾にあたる「LXA-OT4」を企画した。一体どのようなコンセプトで設計され、どのような楽しみ方ができるのか、詳細をラックスマンのプロジェクトメンバーに伺った。

ーー今回でデジタルアンプとしては第3弾となるわけですね。回路設計にあたってこだわったポイントはありますか?

石川 シンプルな回路設計なので音を重視しました。心臓部となるデジタルアンプのICチップをどの型番のものを採用するかは音質的に大変重要なポイントのひとつですよね。今回は商品化にあたっていくつもの音を聴き比べながら決めていきました。

土井 回路の定数やら何やら、すべての部分でアナログの音になるように調整しました。ICチップもかなり高級なモノラルICを使用していますからね。これにはこだわりましたよ。L、Rセパレートにすると音が良くなるんです。

ーーデジタルアンプって、表現が曖昧だと思うんですよね。各社統一されていないじゃないですか。今回のアンプは、ICとスイッチング電源を使っているということでデジタルアンプと定義しているのですか?

土井 そうですね。でも、デジタル処理はしているんですよ。アナログ信号をデジタル処理して、最後にフィルタでアナログに変えているわけです。

久保 PWMでパルスの幅を変えているわけですね。最後にLCのフィルタをかけて、なだらかな、アナログな波形になるように変換しているわけです。なので、D級アンプということになりますね。

ーーなるほど。前2商品同様、今回もオペアンプ交換式になっていますが、今回もまた交換していろいろと楽しめそうですね。

土井 そのときにはACアダプタを必ず抜いて交換してくださいね(笑)。オペアンプを変えたら音は変わりますよ。確実に変わります。

ーー基板も大きくなったことで交換もしやすく、作業性もよくなりましたね。前2商品と大きく違う特徴の一つとして基板サイズが大きくなったということのほかに、何といっても基板内部にジャンパーが入っていることが挙げられるかと思います。これを入れた理由はなんでしょうか?

石川 ジャンパー設定でゲインを切り替えることができるようにするためです。基板出荷時には6dBになっていますが、ソケットはつまめるタイプなので、手で抜いて簡単に設定できます。ですので、好みのゲインで設定できるわけです。

土井 ゲインの切り替えは2dBずつ4段階切り替えができます。

基板内部のジャンパー設定で、入力段オペアンプのゲイン切り替え(2dBずつ4段階)が可能に。

ーーデジタルアンプ自体に音の差はないと考えている方も多いのではないかと思うのですが、ラックスマンならではの音作りや楽しめるポイントはありますか?

土井 まあ、確かにデジタルアンプなので誰が設計しても同じような音にはなるでしょうね。なので、使っている定数だとか、フィルタをどこでカットしていくかで違いを出しているのと同時に、わざわざアナログICを使って色付けをしているわけですよね。回路もラックスマン流のオリジナル回路ですよ。

ーーラックスマン流! いいですね!

石川 長時間音楽を聴いても聴き疲れしない。それはつまり、柔らめで、心地よく音楽が聴こえるということを狙っています。

土井 「高音質、高品質、高品位」という方針ですね。パワーアンプであり、しかもプリがなくてもいいように、前にプリが入っている(オペアンプがプリになっている)ので、プリの役割も果たしますよ。

ーーおおっ! それがこの値段で手に入るわけですから、これは否応なしに期待しちゃいますね。楽しみです! それでは最後に、取り扱いに関する注意事項がありましたらお願いします。

久保 まずはRCAケーブルやスピーカーケーブルといったすべての入出力端子の接続を完了させてください。そして、DC INに繋げてからAC アダプタの電源プラグをコンセントに接続します。電源は、必ず最後に入れてください。あと、スピーカー端子のリードのショートにはくれぐれも注意してください。ICが壊れてしまうと修理ができなくなります。24V片電源のBTLデジタルアンプなので直流電圧が出ています。通常のスピーカーは問題ありませんが、スイッチボックスへの接続はしないようにお願いします。

付録アンプとの比較表。電源電圧はDC24V、定格出力は20W+20W(8Ω~4Ω)と大幅に改良されている。

オーディオ評論家 福田雅光氏による評価

デジタルアンプの第4世代LXA-OT4が発売される。サンプルを試聴してみる。今回はケースに内蔵され、電源電圧は24Vに強化、定格出力20W+20Wのハイパワーになり、歪率も0.06%と大幅に低下した内容。これは透明度の高い音質で、パワーのあるエネルギーが伝わってくる。シンプルな構造から信じられないほどの低音、中低音の厚みを出してくる。高S/Nで音の密度も高い。これまでの製品も解像度が高く優秀であったが、今回はエネルギー駆動力が強化され、また分解力の高いレスポンスを備えていることが魅力である。低域は強力な制動力を効かせ、力強い。ダイナミックな勢いを備え、また中高域は繊細に冴えた解像度の高い表現力で倍音成分を再現してくる。コンパクトなデザインをシンプルなシステムに活用する、あるいはマルチアンプ方式の駆動アンプとして活用するのも適している。ぜひ活用したいプリメインアンプだ。



ラックスマン製 デジタルアンプ・キット 「LXA-OT4」 スペック

本体基板 LXA-OT4 ※特記無きは8Ω・JP設定:6dB時)
・定格出力:20W+20W(8Ω~4Ω)
・入力感度:650mV
・入力インピーダンス: 47kΩ
・周波数特性:20Hz~20kHz(+0、-0.5dB)
・全高調波歪率:0.06% (1kHz/1W)
・S/N:101dB (IHF-A)
・ゲイン切り替え:基板内JP位置で設定/()はアンプ総合利得 6dB(26dB)/ 4dB(24dB)/ 2dB(22dB)/ 0dB(20dB)
・消費電力:56W(電気用品安全法による、付属ACアダプター使用時)/18W(無信号時)
・質量:本体のみ:615g ・外形寸法:W183×H88×D120mm  ※ノブ、端子含む
・電源:DC24V(ACアダプター)

付属品 ACアダプター(BYX-2402500J)
・定格電圧
・定格周波数:100-240V~
・50/60Hz・定格出力電圧/電流:DC24V/2.5A

※この商品はONTOMO Shop専売商品です。ONTOMO MOOK付録ではありません。
※只今、大好評予約受付中です。11月27日前後より、予約順に発送を開始いたします。

別売りのケースでアップグレード!

ラックスマンキットシリーズ用 ブラックウォールナットケース

東京・神楽坂の木工房 アクロージュ・ファニチャー が手掛ける無垢材の専用ケース。工具は一切不要で、組み立てたシャーシを後ろからはめこむだけ。見た目にも高級感が出るだけでなく音質向上にも繋がり、お勧めです! デジタルアンプ「LXA-OT4」だけでなく、ONTOMO MOOK付録のラックスマン製真空管アンプシリーズなどにも使用可能です。

※この商品はONTOMO Shop専売商品です。

対応する(使用可能な)ラックスマン製キットシリーズ
・ONTOMO MOOK付録 「真空管ハーモナイザー・キット(LXV-OT6)」
・ONTOMO MOOK付録 「真空管ハイブリッドプリメインアンプ・キット(LXV-OT7)」
・ONTOMO MOOK付録 「真空管FMチューナー・キット(LXV-OT8)」
・ONTOMO MOOK付録 「真空管グラフィックイコライザー・キット(LXV-OT9)」
・ONTOMO MOOK付録 「真空管フォノイコライザー・キット(LXV-OT10)」

・ONTOMO Shop限定販売商品 「ラックスマン製 真空管ハーモナイザー・キット『LXV-OT6 mkII』」
・ONTOMO Shop限定販売商品 「ラックスマン製 真空管ハイブリッドプリメインアンプ・キット『LXV-OT7 mkII』」(完売)
・ONTOMO Shop限定販売商品 「ラックスマン製 デジタルアンプ・キット 『LXA-OT4』」

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