Stereo9月号 実況!録音オーディオの世界―デジタル録音/再生情報局 ●生形三郎 ZOOM H6

Stereo9月号よりスタートした、新連載「実況!録音オーディオの世界-デジタル録音/再生情報局」。第1回目はズーム H6。実際にナマロクした音を聴いてみよう!


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地域の阿波踊り大会の様子を収録。踊り手と演奏者は幅10m程の道路を右から左にゆっくりと移動していく。そのすぐ道路脇から収録した。01はスタート地点付近での収録で、演奏者が手前側で停まって演奏し、その向こう側を踊り手が掛け声と共に通り過ぎていく。そのあとにゆっくりと後を追って演奏者が左側に移動していく。ほぼ全員が左側に過ぎ去ったところで、右端で次の団体が掛け声を出しスタートしているのが分かる。楽器を演奏しながら歩き回っている様子や、太鼓の音の厚みがしっかりと捉えられている。02は踊り手と演奏者が右から左へ通り過ぎていく様子を収録。右から左に移動していく際のXY特有の定位の良さに加え、太鼓の演奏のバチさばきが小気味よく録れているのがわかる。
03は阿波踊り会場の道路脇に展開する露店前の人混みで収録したもの。MSマイクが捉える左右の音とセンターの音が際立ち、会場の雰囲気が立体感よく収録されている。


morning_XY
morning_MS
内蔵マイクの種類による広がり感やS/Nなど音の違いを比較するため、早朝の住宅街で収録した音風景。手前に大きめの空き地があり、それを囲む様に住宅が並ぶ。空き地の草むらでは虫が鳴いており、その脇にある電信柱にとまっている雀の鳴き声が住宅に反射し空き地に響き渡っている。また、数百m程先の国道を走る車の音も微かな低音として聴こえる。MSマイクでは、左右の響きも大きく収録され、高域の強さもあって広さや立体感、明瞭感のある響き。XYマイクでは、国道を走る車が響かせる重低域をよく拾っており低域特性の良さが伺える。また右側のマンションの窓から漏れるテレビの音声も僅かに聴き取れ、定位の良さや繊細さがわかる。


piano_XY
ピアノレッスン用の小さな小部屋にある小型のグランドピアノを強引に録音した。狭い部屋のためピアノと充分な距離が取れず、中域が強調されてしまっているが、響板でうねる弦の余韻が、マイクのセルフノイズに埋もれることなく綺麗に収録されているのがお分かり頂けると思う。ハッキリくっきりとした音が特徴のピアノだったが、H6の内蔵XYマイクが高域を僅かに上品に収録するのと、低域もしっかりと拾うことが相まって、近距離からの録音でも耳に痛い音になりにくく、柔らかめの音で収録できた。また、打鍵に伴う細かいハンマーの動作音やイスのきしみ、高域と低域の弦の場所の違いも明確に聴き取れる。最後に最低音を弾いたが、その低域もしっかりと録音されている。


train_MS
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踏切手前から、目の前を横切る列車を収録。MSマイクでは左右からの音を大きく拾い、目前を電車が通り過ぎる様子がダイナミックに描写される。(後半に風によるフカレ有り)XYマイクでは、MSマイクの様な派手さは無いものの、目前を通る電車が遠くからやってくる移動の過程がリアルに聴き取れる。また線路のつなぎ目を通過する時に発せられる重低音もきちんと収録されている。


hanabi_XY
花火大会のフィナーレ付近を収録。フィナーレ間際に駆け込みでのゲリラ的収録だっため、土手の上に立見ですし詰め状態の中から収録。最大に伸ばした三脚の先にレコーダーを取り付け、それを頭上1m程に掲げて録音。向かいの対岸から、やや左前方の空に向かって花火が打ち上げられている。打ち上げ場所までは約350m程。花火や歓声と共に、ホーン型のスピーカーから拡声された音楽が、風に流されながら辺りに響き渡っている様子が、臨場感豊かに収録されている。


douro_MS
片側2車線、合計4車線の国道脇で収録。電車同様、ダイナミックな車の移動が捉えられている。映像音声などに使用する場合に特に効果的であろう。最後に奥側の斜線を車が右に通過していく様子が、道路を挟んで向かい合っている建物に反射する音でよくわかる。その直後に信号が変わり、左側前方から歩行者が横断歩道を渡りこちらに向かい話しながら歩いてくる。